idea factory from newspaper 2003 8 28

政治家の資質(statesmanship)
 若者に政治離れする傾向もあるが、
あえて、政治の政界に入っていく若者もいる。
 政治家になろうとする時、ひとつ忘れやすいことがあります。
政治家に必要とされる能力に、体力があります。
体力がなければ、政治家になることは、むずかしいかもしれない。
 民主主義とは、説得である。
説得とは、同僚議員の説得、有権者の説得である。
これには、根気や気力が必要である。
根気や気力を支えるのは、体力である。
 体力がなくて政治家になれるとすれば、
それは、独裁体制である。
数の力で押し切ればよいので、説得は不要である。
 民主主義とは、根気と気力である。

基本ソフト(operating system)
 基本ソフトというと、パソコン好きの人には、
わかりにくいが、OSのことです。
OSには、ウィンドウズ、リナックス、トロンなどがあります。
 このなかで、ウィンドウズは、デザインもよく、使いやすいソフトです。
しかし、ウィンドウズは、ウィルス攻撃というテロをよく受けます。
ウィンドウズとは、アメリカの象徴そのものです。
ウィンドウズは、アメリカを象徴しているのです。
ここから、何が問題なのかを研究する必要があります。

稲作(rice cropping)
 日本では、今年は、稲作の不作が問題になっています。
こう聞くと、国民は、お米の値段を心配しますが、
この機会に、別の問題にも関心を持って欲しいのです。
 実は、別に、最も大きな問題があります。
関東の農村で、こんなことがありました。
役所が、新しい道路を作る時、農地を買収することになりました。
しかし、農村では、これが大きな問題を引き起こしました。
つまり、運よく農地が買収にかかる農民と、
運悪く農地が買収にかからない農民のとの間で、嫉妬という争いが起きたのです。
 なぜ、このようなことが起きたか。
これは、農村を歩けば、わかることですが、
農村においては、高齢化が進んでいるのです。
ある農村では、67才が最も若い農業従事者でした。
他の農村でも、似たようなものです。
 さらに問題なのは、稲作での赤字です。
農家の人が、スーパーで嘆いていますが、
このような値段で売られては、採算が取れないと嘆きます。
 では、どうしているか。
私が訪問した集落では、稲作の赤字を、イチゴ農業の黒字で、しのいでいるとのことでした。
 こういう状況なので、農地が買収にかかると、農民はうれしいのです。
この、農村の高齢化と、稲作の赤字は、大きな問題です。
もちろん、政治家も役所も、この問題を知っています。
しかし、この問題を解決するには、大改革が必要です。
大改革すると、政治家も役所も、存在基盤が崩れますので、
見て見ぬふりをしています。お家芸の先送りです。
ともかく、補助金をばらまいて、農民の不満を抑えています。
 しかし、あと、10年もすれば、高齢化で農村は崩壊します。
この時、どうするか。
お米は、海外から輸入すればいいと言う人もいます。
お米は、日本人の主食であるから、日本で作るべきであると言う人もいます。
 しかし、日本国内で、稲作という事業をすれば、赤字を覚悟しなければなりません。
稲作という事業の赤字を解消するには、
お米の値段を上げるか、
農地の耕作面積を大きくするというスケールメリットにするか、
どちらかです。
 スケールメリットを選んだ場合、農家個人ではできません。
法人組織が必要となるでしょう。
こうするには、農地の売買の自由化が必要なのです。
現在では、農地は農民にしか売れないという厳しい規制がかかっています。
 残された時間は少ないのです。
小作農を守って、日本の稲作を維持するには、お米の値段の大幅な引き上げが必要です。
スケールメリットにするには、農地の売買の自由化が必要なのです。
二者択一です。
 今までは、政治家も役所も、農民を補助金漬けにして、だましてきましたが、
農民の高齢化が進んでいますので、このような欺瞞は続けられません。